お宮参りの産着クリーニングは着用後だけでなく、準備段階でも必要になる場合があります。
では、お宮参り前にクリーニングが必要になるのはどんな場合なのか、どんなお手入れをするのかを詳しく紹介します。
お宮参り後の産着クリーニングについても紹介しているので、併せて参考にしてみてくださいね。

お宮参りの産着をクリーニングするタイミングとは

産着のクリーニング

お宮参りには赤ちゃんに産着を着せてあげたいと考えているご家庭は多いと思います。

そんな産着のお手入れといえば、お宮参りが済んだ後のクリーニングを思い浮かべる方が多いと思いますが、実はお宮参りの準備段階でも、産着のクリーニングが必要になるケースがあります。

それは、パパやママなどが着用した昔の産着を利用する場合。
どんなに丁寧に保管していても、何十年という長い間に、シミやカビなどが発生してしまうケースがほとんどです。

見た目にはそれほどひどくなくても、裏地や裏地の隙間にカビが広がっていることも。
着用するのは数時間だし、見た目にわからなければ大丈夫という考え方もあるかもしれませんが、実は見た目のもんだいだけではありません。
免疫力や抵抗力が弱い赤ちゃんの健康面を考え、カビなどに触れることがないよう事前にクリーニングに出すことが、お子さんのアレルギー予防につながります。

そのため、新品の産着を購入した場合にはお宮参り後にクリーニングするだけで済みますが、パパやママなど誰かの産着を受け継いだ場合には、着用前と着用後の2度、クリーニングに出すことが必要になるのです。

着物の古着ショップやフリマサイトなどで産着を購入した場合にも、出来ればお宮参り前にクリーニングに出すことをオススメします。

お宮参りの産着に必要なお手入れとは

黒い産着を着た赤ちゃん

では、お宮参り前に必要な産着のお手入れには、どんなものがあるのでしょうか。

産着をクリーニングする場合、基本のお手入れは「丸洗い」になります。
「丸洗い」とは、着物が仕立て上がった状態のままドライクリーニングする方法のこと。

長年保管していた産着は、着用する前に必ず「丸洗い」に出します。
シミやカビがある場合には丸洗いだけで落とすのは難しいため、丸洗いに加えて「染み抜き」が必要になります。

さらに、長い間に蓄積されたシミやカビ、変色は染み抜きだけでは落ちにくくなっている場合には、熟練の職人による次のお手入れが必要になります。

カビ臭い場合には「カビ処理」で対応

産着の表面にカビや変色が見えなくても、カビ臭いのであればカビ菌が繊維の奥に潜んでいます。
また、着物地と裏地の間にカビやシミが広がっていることもあるため、「カビ処理」が必要です。

まずは保管中に溜まってしまったホコリや汚れを「丸洗い」で取り、カビ菌は「カビ処理」をして清潔な状態にしておくことが、お子さんのアレルギー対策にもなります。

落ちにくいシミ黄変には「黄変抜き」を

茶色いシミや変色が広がり、すでに黄変という落ちにくいシミになっている場合は、熟練の職人が生地の状態を見ながら、専門の溶剤でシミを抜く「黄変抜き」を行います。

産着を傷つけることなく「黄変抜き」を行うためには、専門の職人が長年培ってきた着物に対する知識と技術が必要となります。

シミが取れないなら「色掛け」や「柄足し」を

シミや変色の状態がひどくて「黄変抜き」ではシミを取りきれない場合には、細かな金箔を吹き付けてシミを自然に隠す「箔ぼかし」や、色を掛けたり柄を足すことでシミを隠す「染色補正(色掛け)」や「柄足し」などのシミを目立たなくする方法もあります。

ただし、あまりにシミやカビがひどい場合にはお手入れが難しいことも。また、お手入れが出来たとしてもクリーニング料金が高額になる可能性があるため、そこまでのお手入れはせずにレンタルの産着などを利用することを検討してみてもいいかもしれません。

※染み抜き、カビ処理、黄変抜き、染色補正は検品によるお見積もり料金

お宮参りの産着に必要なお手入れとは

ピンクの色無地着物に赤い産着を着た女性

お宮参りの産着は着物に袖を通すのではなく、赤ちゃんと赤ちゃんを抱っこした人が上から羽織るだけのため、「そんなに汚れていないし、わざわざクリーニングに出さなくてもいいのでは?」と思う方も多いかもしれません。

しかし、赤ちゃんが羽織ったことで衿元などにヨダレなどが付いていることも。また、赤ちゃんの汗が染み込んだ状態でそのまま保管してしまうと、シミや黄ばみが発生する原因となります。

そのため、丸洗い」のほかに「汗抜き」や、シミがあるなら「染み抜き」を行うことをオススメします。

産着はきちんとお手入れをして保管しておけば、次のお子さんに使用できますし、お宮参りの産着を仕立て直して、七五三の着物として着ることも可能になります。

産着クリーニングは「丸洗い」が基本

お宮参りで着用した産着は、保管する前に必ず「丸洗い」に出すことが大切です。

「丸洗い」とは、着物を仕立て上がった状態のままドライクリーニングする方法のこと。
きものtotonoeの丸洗いクリーニングは、汚れやすい衿、袖口、裾などを丁寧に手作業で下処理をし、仕上げのすすぎを行っていきます。
金箔や刺しゅう、螺鈿が施してあるお着物で丸洗いをすると損傷してしまうものは丸洗いの溶剤が柄などに付かないように部分洗い+仕上げをします。

汚れがひどい部分は専用の洗浄液で下洗いして、ママの口紅やファンデーション、赤ちゃんの皮脂などの油性のシミや汚れは予め落としておきます。

下洗いが済んだら、きものトトノエ専用の洗浄溶剤で丁寧に洗浄し、仕上げのすすぎを行うことで、消臭効果、除菌効果も期待できる衛生的な仕上がりになります。

目には見えなくても「汗抜き」も必要

汗抜き
汗抜きをせずに放置すると左のような汗の輪染み・黄変に繋がります

お宮参りで着用した産着を保管するときには、「丸洗い」に加えて必ず「汗抜き」もお願いしておきましょう。

産着は着物と違って赤ちゃんの上から掛けるだけだから、「汗なんて染み込んでいないのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、実は赤ちゃんは大人よりも汗っかき。

体温調節がまだ上手にできないため、祝い着の中に熱がこもったりするだけで、すぐに汗をかいてしまいます。

繊維に染みついた汗の成分をそのまま放っておくと、数年でカビや黄ばみなどの変色の原因になりなるため、予防しておくことが必要なのです。

小さなシミでも必ず「染み抜き」を

お宮参りの産着には気がつかないうちに、母乳やミルク、赤ちゃんのヨダレなどがついていることも。そんなシミを見つけたら「丸洗い」と「汗抜き」に加えて、「染み抜き」もお願いしましょう。

これらのシミは水性と油性の混合シミや水溶性のシミのため、自宅では落とせません。

産着のほとんどが、水に濡れると縮んだり色落ちしてしまう正絹(シルク素材)で出来ていることもあり、自宅で染み抜きをするのはやめたほうがよいでしょう。

シミを見つけたら出来るだけ早く着物専門のクリーニング店へ。早く対応するほど、落ちる可能性が高くなります。

※汗抜きは2,100円~、染み抜きは検品によるお見積もり料金

産着用の長襦袢は自宅で洗濯できる可能性大

お宮参りの産着

産着を購入すると長襦袢も付いていることがほとんどのため、産着と一緒に長襦袢をクリーニングに出す方が多いようですが、産着と長襦袢はそれぞれ別々にお手入れするため、長襦袢のクリーニング代は別料金になります。
それに気がつかないで出してしまうと、長襦袢のクリーニング代も請求されてビックリすることに。

最近の産着用長襦袢はポリエステルがほとんどのため、自宅で洗濯することが可能なものも多いので、長襦袢をクリーニングに出す前に、自宅で洗えるかどうか洗濯表示を確認しましょう。

一方、新しい長襦袢にミルクなどの大きなシミを作ってしまった、パパやママが子どもの頃に使用した長襦袢のため、シミやカビが広がっているなど、クリーニングに出した方がよい場合もあります。

昔の長襦袢の場合、生地の素材が不明のこともあるため、ポリエステルかどうか判断できないようなら、着物専門のクリーニング店に相談してみるといいでしょう。

長襦袢のクリーニング代にかなりの費用がかかりそう、いろいろ試してもキレイにならない場合には、新しい長襦袢を購入することも一度検討してみてはいかがでしょうか。

ポリエステルの襦袢は安価なものも多いため、新しいものを購入したほうがコスパも良くて、案外気持ちよく、産着を着せてあげられるかもしれません。

※染み抜きなどは別途、検品によるお見積もり料金

自分では判断が難しいなら「匠の診断」で確認を

お宮参り後の産着をチェックしてみたけれど、シミも汚れも見当たらない。でも、本当に丸洗いだけで大丈夫か心配な場合には、きものトトノエの「匠の診断」を受けておくと安心です。

「匠の診断」では、丸洗い料金にプラス1,000円で、熟練の職人がお預かりした産着を入念にチェック。産着に付着したシミの種類や程度、生地の状態を的確に判断して、着物の持ち主にお知らせします。

もしも「匠の診断」でシミが見つかった場合には、「丸洗い」「汗抜き」とともに「染み抜き」も依頼しましょう。

とくに、パパやママなどが着た昔の産着を利用する場合には、お宮参り前の産着クリーニングで「匠の診断」を受けておくことをオススメします。
「カビ処理」や「黄変抜き」、「染色補正」など、どんなお手入れが必要かをプロが見極めてくれるため、産着の状態に合ったお手入れをしてもらうことが可能になります。

万が一、シミをきれいに落としたり隠したりするのが難しい場合には、産着をレンタルに切り替えるなど、次の準備が必要です。

お宮参り前の産着クリーニングは早めにお願いすること、そして「匠の診断」で産着の状態をしっかり把握しておくことが大切です。


熟練の職人(匠)が一枚一枚すみずみまで入念に検品し、お客様に最良なサービスを提案します。

まとめ

お宮参りの産着クリーニングは、産着によってはお宮参り前とお宮参り後の2回、クリーニングが必要になります。

自分たちが着用した産着をお子さんに着せてあげるつもりなら、事前にクリーニングに出してカビやシミなどを落としておくことが、お子さんにキレイな産着を着せてあげられるだけでなく、アレルギーを予防し、お子さんの健康を守ることにつながります。

また、お宮参り後もすぐにクリーニングに出し、しっかりとお手入れしておくことで、その産着を次のお子さんに利用したり、七五三の晴れ着に仕立て直すことが可能になります。

産着をお宮参りの1度しか着ないものにするか、次に役立てるかは、お手入れ次第。産着はクリーニングに出して、しっかりとお手入れしておくことをオススメします。