振袖なのに生理が来るかも……。そんな日は着物を汚しそうで不安ですよね。でも、せっかくの振袖を生理だから楽しめないなんて、もったいない。着物を汚さないための準備をして、楽しく出かけましょう!振袖を生理で汚した時の応急処置も覚えておけば、さらに安心です。そこで、振袖を生理で汚さないための予防対策と血液シミの対処法を紹介します。

汚れを予防!着物を着る日用の生理用ナプキン選び

成人式や結婚式等のイベントの日は、スケジュール的になかなかトイレに行きづらいこともあります。大切な振袖や着物を生理で汚さないように、吸収力のある生理用品の組み合わせを選びましょう。

長時間用タンポン+長時間ナプキンが便利

多くの人が生理日に着物を着る時に取り入れているのが、長時間用のタンポンにナプキンを組み合わせる方法です。タンポンは、立ち上がった時の経血漏れの心配が少ないのが魅力。さらに長時間向けナプキンを組み合わせれば、量の多い日でも安心です。

ナプキン単体なら紙おむつタイプを

「タンポンに慣れない」という場合は、紙おむつのようにお尻全体をカバーする夜用ナプキンを使います。ただしオムツタイプは、薄手の着物には不向き。振袖のように生地のしっかりした袷(あわせ)の着物なら大丈夫ですが、薄手だとヒップラインがもたつくことがあります。

またオムツタイプの生理用ナプキンは穿き込みが深いため、着物を着た際のトイレでの着脱が難しいことも。なるべく浅履きタイプの製品を選びましょう。また脱ぐ時には「足から脱ぐ」のではなく、脇からナプキンを割くようにして外した方がラクです。

タンポンもオムツタイプのナプキンも、スムーズな着脱にはある程度の「慣れ」が必要です。「振袖を着る日に生理が来そう…」とわかったら、早めにサニタリーグッズを買って練習しておきましょう。

着物でも使いやすいサニタリーショーツを準備

着物を汚す心配を少しでも減らせるよう、生理用のショーツである「サニタリーショーツ」にもこだわりましょう。振袖等の着物を着る時に穿くサニタリーショーツは、以下のようなものがおすすめです。

1)ローライズタイプのもの:穿き込みが浅い方がトイレで着脱がしやすいです。

2)ダブルクロッチでナプキンのハネが表に出ないもの:着付けの時に下着になっても安心です。

3)クロッチからヒップ部全体が防水布になっているもの:ヒップ部まで防水の方がガード力が高まります。

特に裏面の「防水布」の使われ方は要チェック!しっかりした防水布が使われていれば、万一の経血モレをガードして、襦袢(じゅばん)や振袖に汚れが付くのを防いでくれます。

サニタリーペチコートでさらに安心!

洋服の場合だと、生理時にショーツとガードルを重ねる人も多いのでは?でも着物の場合だと帯や紐等の着付けによる締め付けがあり、さらにガードルを穿くと苦しくなることがあります。生理モレの予防なら、ガードルよりも軽やかなペチコートがおすすめです。

防水仕様のサニタリーペチコートやサニタリーペチパンツなら、生理の時の万一の後ろモレもしっかりカバー。ペチコートなら薄手なので、着物のインナーである裾よけ(すそよけ)の下に着込んでも、ヒップラインがモタつく心配がありません。

特にクリーム色等の「地色が薄い着物・振袖」を着る場合は、ほんの少しの血液モレも目立ちやすいもの。このような生理用インナーの準備もしておいた方が安心です。

生理の汚れが着物に付いた時の応急処置は?

「万全に準備をしたつもりだったけど、生理の汚れが着物に付いた…」外出先で経血のシミに気づいた時には、どうしたらよいのでしょうか?

絞ったハンカチで血液汚れを応急処置!

生理による経血の汚れは、早い段階なら「水」である程度溶かし出すことができます。「ほんの少し血の汚れが付いた」「今、トイレで汚れが付いたばかり」といった場合は、絞ったハンカチで応急処置をしてみましょう。

用意するもの

・ハンカチかタオル:3枚以上

・水(水道水)

生理汚れが付いた着物の応急処置手順

1)1枚のハンカチかタオルは、汚れた部分の裏にあてておきます。

2)もう1枚のハンカチを水で濡らして、固く絞ります。

3)シミのある部分を2)のハンカチでトントンと軽く叩き、汚れをハンカチに移していきます。

4)常にハンカチのキレイな場所が着物にあたるように、ハンカチを動かします。

5)汚れが取れたら、別の乾いたタオルかハンカチで軽く叩き、水分を十分に吸い取ります。

※ハンカチはしっかりと絞り水気を切りましょう。水気が多いと「輪ジミ」の原因になります。

※強くこする・叩くのはNGです。生地をいためたり、汚れを奥に押しこんでしまいます。

※お湯・ぬるま湯は絶対に使わないでください。温度で経血が固まり、汚れが取れなくなります。

何もしない方が良い時もある

上記でご紹介した応急処置は、いつでも使える方法ではありません。以下のような場合には、応急処置をしない方が良いこともあります。

応急処置をしない方が良い場合

・シミの大きさが2センチ以上:染み込んだ経血の量が多く、水ではシミが落としきれない

・シミがいつ付いたかわからない:体温で経血のタンパク質が固まり、落ちにくくなっている

・刺繍や金箔等がある位置に経血シミがある:水を含ませると変色等が起きやすい

特にシミが大きい場合やシミが付いてから時間が経っている場合、無理に「シミを落とそう」とすると着物に「輪ジミ」ができてしまうことも。また刺繍や染色が変色してしまった場合、専門家でも元に戻せないケースが少なくありません。

生理の汚れが着いた着物は早めにクリーニングへ!

生理の汚れが付いた着物は、できるだけ早くクリーニング店に持ち込みましょう。経血の汚れは時間が経つほど繊維に固まってくっつき、取れないガンコな汚れになります。放置しておくと「クリーニング店でも落ちにくい汚れ」となりかねません。

また応急処置でシミが目立たなくなった場合でも、必ず専門店でキチンと着物のシミ抜きをしましょう。生理の経血にはタンパク質が多く含まれるため、残った成分に雑菌が繁殖しやすく、カビや変色等の原因となりやすいのです。

なお着物・振袖に付いた生理の汚れ(血液汚れ・経血汚れ)は、一般的な「着物丸洗い(ドライクリーニング)」ではキレイに落としきれません。キチンとした「着物のシミ抜き」ができる着物専門のクリーニング店に相談をしましょう。

おわりに

生理で着物を汚さないための予防対策や対処法はいかがでしたか?着物・振袖の経血汚れは、自宅での対処がほとんどできない困ったシミ。予防対策でできるだけ汚れを防ぐことが肝心です。

なお生理周期は突然ズレることも多いもの。「生理日と振袖を着る日、たぶん当たらなそう」という時でも、万一のために生理対策をしておきましょう。