着物には「汗抜き」というお手入れが必要なことをご存じですか。
着物に袖を通した後は着物から汗抜きをしておかないと、汗の成分が染みになってしまう可能性があります。
着物の基本的なクリーニング「丸洗い」で汗も落ちていると勘違いされている方も多いようなので、
着物に汗抜きが必要な理由と丸洗いとの違いについて詳しく解説
しましょう。

「きものSalone」の編集長がオススメする着物クリーニングはここ。 きものtotonoe 


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着物クリーニングはここ。
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着物のお手入れの一つ「汗抜き」とは

着物の「汗抜き」とは名前の通り、着物に染み込んでしまった汗の成分を落とす作業のこと。

着物を着慣れていない方は、あまり自覚がないかもしれませんが、
着物を着ていると帯を巻いているあたりや、膝の裏、首、脇の下などに汗をかきやすく、その汗が着物にまでしみこんでしまうことがよくあります。
着物をきれいな状態で保管するには、そんなしみ込んでしまった汗をしっかりと落とす「汗抜き」というお手入れが必要になります。

汗抜きをしないと黄ばみやシワの原因に

着物に染みこんだ汗は一見するとよくわからないため、クリーニングに出しても丸洗いだけで済ませてしまい、そのまま保管してしまいがちです。
また、丸洗いでは汗抜きが出来ないことを知らないために、「丸洗いしたから大丈夫」と勘違いしている方も多いようです。

こうして汗抜きをしないままで着物を保管してしまうと、目に見えるシミや黄ばみの原因に。
何年かぶりに着物を出したら黄ばみやシミが広がっていて大慌て
すでに状態が悪化して焦茶色のシミになり、クリーニングに出しても落ちないと言われてガックリ……なんてことにもなり兼ねません。

さらに、丸洗いに出したはずなのにシワが取れていない場合は、汗が原因の可能性大。
染み込んだ汗のせいで着物が湿潤状態になっているところへ、帯などの摩擦や着ている間の圧迫などが加わって、取れにくいシワが出来てしまうことも。
しかも正絹の場合、汗の塩分を着物が吸収することによりシワが取れにくくなってしまいます。

夏物の絽や紗、大島紬や羽二重、芭蕉布などの天然素材も、シワが戻りにくい性質のためさらなる注意が必要です。

着物の二大トラブルともいえる、黄ばみとシワのどちらも原因は汗。
ですが、どちらも汗抜きをしっかりすることで、事前に防ぐことが可能になるのです。

知っておきたい汗抜きと丸洗いの違い

では、どうして丸洗いでは汗は落ちないのでしょうか。

よく聞く着物の「丸洗い」とは、ドライクリーニングのこと。
石油系の溶剤で着物の洗浄を行いますが、実はドライクリーニングでは汗の成分を落とすことはできません。

水溶性である汗の成分を落とすには、水を使用しなければなりませんが、水で正絹の着物をまるごと洗ってしまうと縮んだり、傷んだり、色落ちする可能性があります。
そのため、汗抜きが必要な部分にだけ少量の水をスプレーすることで、着物が縮むことを防ぎながら汗を落とすという技術が必要になります。

着物クリーニングを扱っているきものトトノエのような専門店なら、「丸洗い」だけでなく「汗抜き」や「汗処理」というメニューが必ずあるはず。
「丸洗い+汗抜き(汗処理)」の両方を行って初めて、大切な着物をキレイな状態で維持することが可能になるのです。

自分で汗抜きの応急処理をするには

着物にとってトラブルの原因になる汗。
自分で汗抜きすることはできないの?と思う方も多いのでは。

残念ながら素人が着物に染みこんだすべての汗抜きをするのは難しく、着物を保管する際には、クリーニング店での丸洗いと汗抜きは欠かせません。
ですが、夏の外出後や着物を長時間着た後など汗が気になる場合には、次のような応急処置をしておくとよいでしょう。

1 大き目のバスタオルを敷いて、その上に着物を広げます。
2 水に浸して固く絞ったガーゼタオルで、衿元や脇、お腹まわりなど、汗をかいた場所を軽く叩いて、汗の成分を吸い取っていきます。
3 汗を吸い取ったら今度は着物についた水分を、乾いたガーゼタオルで再度丁寧に叩いて取り除きます。
4 着物ハンガーにかけて、一日以上は陰干しをして風にあて、水分をしっかり飛ばします。

ただし、正絹やウールは水を含ませすぎると縮んでしまいますし、
生地を強く叩いたりこすったりすると色抜けや色落ち、毛羽立ちの原因になるので気をつけて。
また、金糸・銀糸や金箔・銀箔、刺繍などの特殊加工した部分は触らないようにしましょう。

クリーニング店で汗抜きをするタイミング

振袖のように成人式や結婚式など特別な日に一度着ただけの着物でも、保管する前には必ず丸洗いとともに汗抜きをクリーニング店にお願いしましょう。

よく着る着物の場合は、毎回、汗抜きに出すのは大変なので、着物を脱いだあとは前述した応急処置を施すなど、こまめに水分や皮脂を飛ばしておくことが大切。
そのうえでワンシーズンごとや、衣替えのタイミングで汗抜きに出すといいでしょう。

まとめ

着物についた汗はしっかり落としておかないと、黄ばみやシミ、シワの原因になります。

着物を脱いだ直後は目には見えないかもしれませんが、着物を保管する前には必ず着物クリーニング店で、丸洗いとともに汗抜きをしておきましょう。
そうすることで、いつまでも大切な着物をきれいな状態で維持することができます。


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