「下洗い（下処理）」が着物の丸洗いの仕上がりを左右するってホント？

「下洗い（下処理）」とは着物を丸洗いする前に、とくに汚れやすい部分を手洗いすること。
「下洗い（下処理）」をどれだけ丁寧に行っているかで、丸洗いの仕上がりが違ってくることも。
一般の人は知らない着物の「下洗い（下処理）」とはどんな作業なのか詳しく紹介します。

着物クリーニングの基本は、着物をほどかずに仕立て上がりの状態で洗う「丸洗い」です。

主に着物全体についたホコリや汚れを落とすときに利用します。
洋服のドライクリーニングと同じように石油系の溶剤で汚れを落とすため、着物が型崩れしたり、縮んでしまうといった心配がありません。

この丸洗いの前に行う作業が「下洗い（下処理）」で、手洗いで衿や袖口、裾などのとくに汚れやすいところを専用の油溶性洗浄剤で入念に洗うことをいいます。

この「下洗い」をどれだけ丁寧に行うかで、丸洗いの仕上がりに差が出るため、丸洗いには欠かせない作業なのです。

きものトトノエでは、汚れやすいといわれる衿や袖口、裾だけでなく、目についたファンデーションや口紅、皮脂や食べこぼしの油汚れなど、他の部分についてしまった油溶性のシミや汚れも一緒に「下洗い」をしています。

「下洗い」が落とせるのは油溶性の汚れだけになります。

〇落とせる汚れ
全体的についたホコリ、口紅、ファンデーション、皮脂、食べこぼしの油汚れ

×落とせないシミ
汗、コーヒー、ジュース、お酒、血液、母乳、カビ、黄変など

汗染みや水染み、コーヒーやジュース、ワインなどの色素が含まれている汚れや、血液、母乳などのたんぱく質が含まれた汚れは、どんなに入念に「下洗い」をして丸洗いを行ったとしても落とすことはできません。

また、元々の原因が油溶性の汚れでも、すでに変色したシミやカビが生えてしまった場合、「下洗い」と丸洗いだけでは落としきれるものではありません。

そんな場合には「染み抜き」が必要になりますし、シミがひどい場合は着物をほどいてから洗う「洗い張り」が必要になることもあります。

洋服の場合、食べ物や飲み物の汚れは洗濯すればすぐに落とせるものもありますが、着物は高級なものほど水に濡らすと縮んだり、色落ちしたり、刺繍や金箔、螺鈿などの加工部分が傷むなど、水で洗うことが難しいデリケートな衣類です。

口紅やファンデーションなどの目立つ汚れは落ちたのに、ちょっとした飲み物や食べ物のシミが落ちないなど、自分たちではそのシミが丸洗いで落ちるのか、落とせないのかは、なかなか判断がつきません。

そこで利用してほしいのが、きものトトノエの「匠の診断」です。

熟練の職人が着物をすみずみまでチェックし、見落としていた細かい汚れやシミだけでなく、ほつれやすりきれ、ひきつれなど、着物の状態を報告してくれます。

また、その汚れに対してどんな処置をするのか、それにはどの程度の費用がかかるのかを見積もりを出して提案。お客様と相談しながら大事な着物のお手入れを進めていくので、お客様にも安心していただけます。

着物をキレイな状態で長期間利用するためには、早めのお手入れと、ちょっとした汚れやシミを見落とさないことが大切です。

きものトトノエに着物の丸洗いを依頼するときには、「匠の診断」にも申し込むことをオススメします。

着物専門のクリーニング店が丸洗いをする場合、必ず事前に手洗いで「下洗い」をしています。
この「下洗い」が丁寧がどうかで、丸洗いの仕上がりが変わるといわれるほど、大切な作業です。

そのため、きものトトノエでは衿、袖口、裾などの汚れやすい箇所だけでなく、目についた油溶性の汚れには予め「下洗い（下処理）」を施しています。