着物クリーニングは安いところを選びたい。
気持ちはわかりますが、着物のクリーニングが安いことと、本当にコスパが良いかは別問題。
実はシミ抜きや汗処理は別料金ということも。着物をクリーニングするなら安いことより、
どんなお手入れをしてもらえるのか、トータルでかかる費用はいくらかを事前に把握することが、納得のコスパにつながります。

着物クリーニングの相場とは?

着物は洋服とは違い、正絹などの高級な素材に刺繍などが施された繊細なものが多く、クリーニングをするのにも専門的な技術が必要になります。
そのため、着物のクリーニング料金はどうしても高くなりがちです。

しかし最近では、訪問着のクリーニングが2500円前後で出来るところも。その一方で高いところでは、やはり1万円前後はかかります。

もちろん、着物の種類によって料金は異なりますが、振袖や留袖も最安値で3000円前後、高値では12000円前後が相場のようです。

着物クリーニングに価格の差が生まれる理由

では、どうして着物クリーニングは、お店によってこんなに価格差があるのでしょうか。

例えば、着物専門のクリーニング店なら自社工場で洗浄できますが、呉服店の場合は委託しているクリーニング店にお願いしていることが多いよう。
また、機械で洗うのか、すべてが職人さんによる手洗いなのか、複数枚をまとめて洗っているのか、一枚ずつ洗っているのか、どんな洗浄剤を使っているのかなど、さまざまな要因によって料金は変わっていきます。

当然のことですが、手間と時間をかけて丁寧にクリーニングをしている店ほど、価格は高くなります。

コスパの良い着物クリーニングの選び方

実は着物のクリーニング方法には、洋服のドライクリーニングにあたる「丸洗い(京洗い)」や、着物をほどいて反物の状態にしたものを洗う「洗い張り」、専門的な技術が必要な汗処理やシミ抜きなどがあります。

ところが、着物クリーニングの基本料金でやってもらえることは「丸洗い」だけというお店がほとんど。染み抜きや汗処理などはオプションとして料金が追加されるのが一般的です。
そのため気になるシミや時間が経ってしまった汚れは別料金になってしまうこともあり、クリーニング料金の安さで選んだはずなのに、結果的には想像以上に費用がかかってしまい大ショック!ということも。

そんな失敗を防ぐため、事前に次の3つのことを確認しておきましょう。

着物に必要なお手入れを確認

クリーニングに出す前に、着物の汚れやシミ、ほつれなどをしっかりチェック。

丸洗いだけで十分なのか、汗処理やシミ抜きもしてもらいたいのか、ほつれや色修正などのお手入れも必要なのかを判断しましょう。

基本料金でできる内容を確認

基本的に着物のクリーニングは丸洗いがほとんどですが、中には、丸洗いに加えて独自の作業工程やサービスが含まれているお店も。

まずはそのお店が掲げる基本料金で何をしてもらえるのか、それはどんな人が、どんな技術で、どんな作業をしているのかなどを確認しましょう。

汗処理や染み抜きなど、お願いしたいオプションはいくらなのかも必ず確認を。

長襦袢とのセット料金を確認

つい忘れがちですが、着物をクリーニングに出すのなら長襦袢のクリーニングも必要なのでは?

そのため、着物と長襦袢のクリーニングをセット料金で扱っているお店も多く、それぞれを単体で出すよりもお得になるのでオススメです。

以上の3点を確認して、自分の着物に必要なお手入れは、基本料金、オプション合わせてどれくらいの費用がかかるのかを把握。
そのうえで、作業内容も含めて納得のお手入れをしてもらえるお店はどこなのかを比較検討することが、コストパフォーマンスの良い着物クリーニング選びにつながります。

着物の診断はプロに頼む方法も

「着物って一度着たら汗抜きが必要なの?」「このシミは自分で落とせる?それともクリーニング?」と、迷う場合もあるでしょう。

そんな着物初心者の場合は、クリーニングの前に着物の状態を診断してくれるコースを頼んで、プロのアドバイスを聞くのもひとつの方法です。

診断後は、必要なお手入れにどの程度の費用と日数がかかるのか、きちんと見積もりを出して説明をしてくれるところを選ぶのも賢い選択といえそうです。

まとめ

着物は高級品だからクリーニングも高価格なところが安心という考えもありますが、気軽に頼める低価格のクリーニング店も多くなり、そちらを選ぶ方も増えてきました。

とはいえ、金額の安さに飛びついてしまう前に、どんなお手入れを、どんな人に、どの程度の期間でやってもらえるのかをしっかり確認。納得したうえでお願いすることが、結果的に着物にもお財布にもやさしい着物クリーニングになるのではないでしょうか。