七五三の着物をクリーニングに出すタイミングをご存じですか?準備のときに七五三の着物をクリーニングする場合と、七五三が済んでクリーニングする場合といわれています。

こういうと、なぜ準備のときにクリーニングに出すのか、疑問に思う方も多いのでは。

そこで、七五三の準備のときに着物をクリーニングに出す理由や、クリーニングに出す場合の注意点、どんなお手入れが必要なのかも紹介します。

七五三の着物をクリーニングに出すタイミング

七五三の着物をクリーニングに出すタイミングは、七五三の準備の時と、七五三の着物を保管する前の2回が基本です。

これ以外にシミをつけてしまった場合など、緊急に処置が必要な場合が加わります。

七五三の前にクリーニングが必要な理由

七五三着物

七五三が終わったあとにクリーニングに出すのはわかるけど、なぜ、七五三の前にもクリーニングに出すの?と疑問に思う方も多いでしょう。

七五三の晴れ着を購入したり、レンタルする場合には、クリーニングの必要はありません。

しかし、パパやママが七五三のときに着た着物を子供にも着せる場合や、お兄ちゃんお姉ちゃんの着物を下の子に着せる場合には、クリーニングが必要になります。
友人や親戚などから七五三の着物をお借りする場合にも、着物の状態によってはクリーニングが必要なことも。

実際、久しぶりに七五三の着物を出してみたら変色していたり、シミが広範囲に広がっていた……ということがほとんどです。

また、目には見えないものの長期間保管したままだった着物には、着物の裏にカビが生えていたり、シミが出来ていることも。

そのため子供に着せる前には、クリーニングに出すことが必要になります。

七五三を迎える前に必要なお手入れとは

では、どんなお手入れをお願いすればいいのでしょうか。

丸洗いだけでOKかプロに診断してもらう

七五三には上の子のときの着物を着せる、または親戚や友人知人から借りると決めている場合には、お手入れに時間がかかる可能性を考慮して、できるだけ早く着物の状態を確認しましょう。

その結果、目立つシミや変色がない場合には、着物専門のクリーニング店で丸洗いをお願いします。
丸洗いとは着物のドライクリーニングですので、着物全体の汚れを落とし、さっぱりとした清潔な状態にしてあげることが出来ます。

ただし、20~30年前のママやパパの着物を利用する場合には、目に見えるシミや変色がなくてもどこかにカビやシミが潜んでいる可能性も。
まずはきものトトノエの匠診断のように、着物専門のクリーニング店で全体をくまなく点検してもらうことをオススメします。

丸洗いだけでいいのか、染み抜きなどのお手入れが必要なのかは、プロに診断してもらったほうが確実です。

染み抜きや染色補正が必要な場合も

すでに着物がシミだらけだったり変色している場合は、すぐにクリーニングに出して、着物の状態の診断と、それに掛かるお手入れの内容や費用の見積もりを出してもらいましょう。

とくに濃い褐色や茶色のシミが広がっている場合、長年放っておいた汗や食べ物、飲み物などのシミが酸化して、着物の繊維を変色させる黄変という状態に。
こうなると丸洗いだけでは落とせず、染み抜きを施したあとに、上から染色補正などをする必要も出てきます。
お手入れに時間も料金もかかるため、早めにクリーニング店に相談しましょう。

下の子の七五三に使用したら二度と着ることはない着物の場合や、友人や親戚などからお借りした着物の場合は、丸洗い以上のお手入れをする必要があるか、見積もり後にしっかり検討したり、お借りした人とも相談しましょう。

七五三が済んだ後にクリーニングが必要な理由

七五三着物

以前、着用した七五三の着物にカビやシミが出来てしまう原因は、保管する前にしっかりお手入れしていないため。

一度しか着ていないからそれほど汚れていないだろうと、陰干ししたあとはそのままタンスに入れてしまう方が多く、着物を収納する前にちゃんとクリーニングに出していないことが大きな原因です。

七五三が終わったら、必ずクリーニングをしてから保管しましょう。

とくに、下の子にも着せる予定の七五三の着物は、収納前にクリーニングしておくと、次に着せるときまできれいな状態で保管できます。

七五三が済んだ後に必要なお手入れとは

七五三が済んで着物を保管すとき時には、どんなお手入れが必要なのでしょうか。

丸洗いに加えて汗抜きも必要に

七五三が終わったら、できるだけ早く着物専門店のクリーニングに出すことが大切です。
このときに必ず、丸洗いに加えて、汗抜きもしておきましょう。

七五三なんて短時間だし、寒い時期だから汗なんてかいていないと誤解しがちですが、幼児は大人よりも体温が高く、数時間着ているだけで、大量の汗が長襦袢や着物に染み込みます。
汗は乾いてしまうとわかりにくいため、そのままにしてしまいがちですが、これが繊維を酸化させる原因となり、落ちにくい変色やシミが広がる黄変という状態になってしまいます。

来年や再来年には、下の子の七五三に着せるから大丈夫という油断は禁物です。
半年以上、着る予定がないのなら、丸洗いと汗抜きをしておきましょう。

シミをつけたらすぐに染み抜きへ

もしも、七五三の食事会で食べこぼしなどのシミを作ってしまった、七歳の子どもに化粧をしてあげたら、ファンデーションや口紅を着物につけてしまった場合には、丸洗いと汗抜きに加えて、染み抜きもお願いしましょう。

ただし、お正月にはもう一度、晴れ着を着せるつもりなら、まずは染み抜きだけを先にお願いして、お正月が終わったあとに丸洗いと汗抜きを施すのでも大丈夫です。

シミをつけてしまった場合の染み抜きはできるだけ早く、丸洗いと汗抜きは保管する前にお願いすると覚えておけば、きれいな状態で七五三の衣装を保管することができます。

まとめ

七五三の着物はママやパパが着たものや、上の子の着物を利用する場合は、着る前にもクリーニングに出すことが必要です。

また、七五三が無事に終わって保管しておく場合にも、必ずクリーニングに出しましょう。

どうしても着物の見た目で、汗抜きや染み抜きは必要ないと思ってしまいがちですが、素人判断は危険です。きものトトノエの匠診断などプロの判断を利用して、必要なお手入れをすべて施しておくことが、きれいな状態の着物を次の子供に着せてあげることにつながります。