産着のクリーニングは「丸洗い」が基本。
「見た目に汚れていないから」と産着をクリーニングに出さない方もいるようですが、実は目に見えない汗やシミがしみ込んでいることがほとんどです。
産着は記念品として美しい状態で保管したい、いつかは孫にも着せてあげたいと思っているのなら、着用後すぐに着物専門のクリーニング店で適切なお手入れをお願いすることが大切です。
目次
産着クリーニングの基本は「丸洗い」
着用後の産着は、保管する前に必ず「丸洗い」に出すことが大切です。
「丸洗い」とは、着物を仕立て上がった状態のまま、ドライクリーニングする方法のこと。
クリーニング店によっては洗濯機で洗ってしまうところもあるようですが、きものトトノエでは手作業による丁寧な「丸洗い」を行っているため、金箔·刺繍·螺鈿などの加工部分を傷める心配がありません。
しかも汚れがひどい部分は専用の洗浄液で下洗いして、ママの口紅やファンデーション、赤ちゃんの皮脂などの油性のシミや汚れは予め落としておきます。
下洗いが済んだら、きものトトノエ専用の洗浄溶剤で訪問着を丁寧に洗浄し、仕上げのすすぎを行っていきます。きものトトノエで使用している洗浄液には消臭効果、除菌効果があるため、とても衛生的に仕上がります。
産着を保管する前には「汗抜き」も必要
お宮参りで着用した産着を保管するときには、「丸洗い」に加えて「汗抜き」も必ずお願いしましょう。
産着は着物と違って赤ちゃんの上から掛けるだけだから、汗なんて染み込んでいないのでは?と思う方もいるかもしれませんが、実は赤ちゃんは大人よりも汗っかき。
体温調節がまだ上手にできないため、祝い着の中に熱がこもったりするだけで、すぐに汗をかいてしまいます。
さらに、お宮参りが暑い時期であったり、参拝後の暖房がきいたレストランなどでは汗をかくことも考えられます。
繊維に染みついた汗の成分をそのまま放っておくと、数年でカビや黄ばみなどの変色の原因になりなるため、予防しておくことが大切です。
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シミを見つけたら「染み抜き」を
お宮参りの産着には気がつかないうちに、母乳やミルク、赤ちゃんのヨダレなどがついてしまう可能性が大。
そんなシミを見つけたら「丸洗い」と「汗抜き」に加えて、「染み抜き」もお願いしましょう。
これらのシミは水性と油性の混合シミや水溶性のシミのため、自宅での応急処置では落としきることができません。
産着のほとんどが、水に濡れると縮んだり色落ちしてしまう正絹(シルク素材)で出来ていることもあり、自宅で染み抜きをするのはやめたほうがよいでしょう。
シミを見つけたら出来るだけ早く着物専門のクリーニング店へ。早く対応するほど、落ちる可能性が高くなります。
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自分では判断できない場合は匠診断で確認
自分で確認したところシミも汚れも見当たらないけれど、丸洗いだけでは心配だという場合には、きものトトノエの「匠診断」をオススメします。
「匠診断」では、熟練の職人がお預かりしたう産着を入念にチェック。産着に付着したシミの種類や程度、生地の状態を的確に判断して、着物の持ち主にお知らせします。
もしもシミが見つかった場合は、「丸洗い」「汗抜き」とともに「染み抜き」もお願いすることが大切です。
親から子へ受け継いだ産着は熟練の技術で復活
息子の産着を今度は孫に着て欲しい、私がお宮参りをした時の産着を赤ちゃんと一緒に着たいなど、親子二代や三代にわたって産着を受け継ぐこともあるでしょう。
そんな長期間眠っていた産着。20年~30年ぶりにタンスから出してみたら、カビ臭い、全体的に茶色く変色している、柄の上にもシミが広がっていることも。
これらのシミや変色は、汗や汚れを長い時間を放っておいたために生地が酸化してしまい、「黄変(おうへん)」という古いシミになってしまった状態です。
保管前にクリーニングに出さずに長期間タンスにしまっていた、クリーニングには出したけれど「丸洗い」だけで、「汗抜き」と「染み抜き」はしなかったことが原因といっても過言ではないでしょう。
それだけ保管前のお手入れは重要なのです。
では、カビやシミ、変色だらけの産着はもう着られないのかといえば、そんなことはありません。
一般的なクリーニング店では、黄変を落とすのが難しいため断られてしまうことも多いと思いますが、きものトトノエではカビや黄変にも対応しています。
「丸洗い」と「カビ処理」で対応
20年以上タンスに保管していた産着は、着用する前に必ず「丸洗い」に出しましょう。
カビ臭さを感じる産着には「カビ処理」も必要です。
産着の表面にはカビや変色がなくても、カビ臭いのであればカビ菌は繊維の奥に潜んでいます。また、着物地と裏地の間にカビやシミが広がっていることも考えられます。
まずは保管中に溜まってしまったホコリや汚れを「丸洗い」で取り、カビ菌は「カビ処理」をして清潔な状態にしておくことが、お子様のアレルギー対策にもなります。
熟練の職人による「黄変抜き」
もしも茶色いシミや変色が広がり、すでに黄変を起こしている場合は、熟練の職人が生地の状態を見ながら、専門の溶剤でシミを抜いていく「黄変抜き」を行います。
産着を傷つけることなく「黄変抜き」を行うためには、専門の職人が長年培ってきた着物に対する知識と技術が必要となります。
「染色補正」や「柄足し」でカバー
シミや変色の状態がひどくて「黄変抜き」ではシミを取りきれない場合には、細かな金箔を吹き付けてシミを自然に隠す「箔ぼかし」や、色を掛けたり柄を足すことでシミを隠す「染色補正(色掛け)」や「柄足し」などのシミを目立たなくする方法もあります。
縫い目部分は「洗い張り」で対応
縫い糸にまで黄変が出てしまった場合は、産着をほどいて「洗い張り(水洗い)」を行ってから、仕立て直します。こうすることで、縫い目やその周辺部分の変色にもしっかりと対応することができます。
男の子の産着の家紋の入れ替えも可能
男の子の場合、お宮参りの祝い着には父方の家紋を入れるのが一般的です。
そのため、家紋が異なる昔の産着の「家紋の入れ替え」をしたいというご要望にもお応えしています。
熟練の職人が丁寧に昔の家紋を落とし、新しい家紋を入れていきます。
これは着物専門のクリーニング店であるきものトトノエだからこそ可能な技術。さまざまな家紋を取り揃えているので、ぜひお気軽にご相談ください。
産着クリーニングの料金表
丸洗い 匠診断付で6,930円(税込)
汗処理 丸洗い料金にプラス1,540円(税込)
染み抜き お見積り
古い染み抜き お見積り
カビ処理 お見積り
洗い張り お見積り
染色補正 お見積り
柄足し お見積り
家紋入れ替え お見積り
よくある産着への質問にお答えします!
Q 自分の産着を出したらカビ臭い。子供に着せたいけれどクリーニングが必要?
A ママ・パパが赤ちゃんのときに着用した産着は、お子様が使用する前に必ず「丸洗い」をして汚れを落としておきましょう。また、カビ臭いなら「丸洗い」と一緒に「カビ処理」もしておくことが大切。清潔な産着にすることが赤ちゃんの健康を守ることにつながります。
Q パパの産着を息子に着せることに。時代遅れではない?
A 最近はモダンな色や柄の産着も増えていますが、昔ながらの古典柄も相変わらず人気を集めています。決して古臭いということはありませんので、気にしなくても大丈夫です。
それよりも、祝い着に黄ばみやシミがあったり、生地がほつれていたりすると、産着の古臭さが目立つ原因になります。着用する前に、しっかりとクリーニングや修復をして美しい状態にしておくことが大切です。
Q 産着につけたしまったシミは「丸洗い」で落ちる?
A 「丸洗い」に加えて「染み抜き」もしておきましょう。産着はお宮参りが終わると長期間保管することになりますが、ほんの少しの汚れが酸化やカビの原因になります。「丸洗い」で全体的に汚れを落とし、「汗抜き」でしみ込んだ汗を落とし、「染み抜き」で産着につけてしまったシミをしっかり落とすことで、厄介なシミやカビの発生を抑えることができます。
Q 産着に染み込んだ赤ちゃんの汗は「丸洗い」で大丈夫?
A 産着にしみ込んでしまった汗の成分は、「丸洗い」だけでは落とすことができません。汗シミができるほど汗をかいたり、夏場に産着を着用したときには、「汗抜き」をしておくことで輪ジミや変色を予防することができます。
産着を保管する前にも、「丸洗い」だけでなく「汗抜き」も必ず行っておきましょう。
Q 産着クリーニングの納期はどれくらいですか?
A 通常の丸洗いなら4週間程度、匠診断も必要な場合は6週間程度が目安です。
(繁忙期の場合は、もう少しお時間をいただく場合があります。)
丸洗いだけでなく、「汗抜き」「染み抜き」「黄変抜き」など、処理が増えるごとにかかる時間も長くなります。
「洗い張り」や「染色補正」などが必要な場合には、2~3ヶ月程度の時間がかかることもあります。
まとめ
お宮参りが終わったら、産着はできるだけ早く着物専門のクリーニング店でお手入れをしてもらいましょう。
着用後の産着は、下の子どもができたら使用したい、いつか孫に使ってほしい、大切な記念品としてとっておきたいなど、どうするかは人それぞれです。
目的はなんであれ長期間キレイな状態で産着を保管したいのであれば、一度使用した産着は必ず「丸洗い」と「汗抜き」をしてから保管することが必要です。
さらに、きものトトノエの匠診断のように、プロの目でシミや汚れをくまなくチェックしてもらい、必要ならば「染み抜き」なども行っておくと、保管中にカビやシミ、黄変が起こるのを防ぐことができるため、20年後も思い出の産着を使用することが可能になります。