「きものキーパー」をご存じですか?機能性にすぐれた着物の保存袋なのですが、「きものキーパー」に収納しておけば、押し入れやベッドの下でも、手軽に着物を保管できると人気を集めています。ではなぜ「きものキーパー」は収納場所を選ばないのか、どんな機能を持っているのか、また、どう利用すればよいのかなど、上手な利用方法も併せて紹介します。

着物を大敵から守る「きものキーパー」とは?

きものキーパーとは、カビやニオイ、害虫、変色など、着物を保管する上での大敵から守ってくれる、着物専用の保存袋です。

なぜ、そんなことが可能なのかというと、抗菌剤・抗酸化剤含有フィルム、ガスバリアフィルム、保護フィルムという三層構造の機能性フィルム「プロガード」を使っているから。
さらに、ファスナーには高密閉チャックを使用。

そのため、湿気やニオイ、酸素を通さないため、カビが生えることもなく、害虫を死滅させることも可能に。

きものキーパーなら、大切な着物を美しい状態のまま長く保管することが出来るというわけです。

人気の理由「きものキーパー」の機能性とは?

着物の収納に困っている着物初心者だけでなく、長年、着物を愛用している方からも人気の高いきものキーパー。

本当にカビが生えないの?虫食いしないなんて信じられない!と思っている方のために、その人気の理由でもある機能性の高さを、具体的に掘り下げてみましょう。

カビや虫食いから着物を守る

湿気の多い日本では、タンスに保管しておくだけで着物にカビが生えるのは当たり前。カビが発生しないなんて信じられない!と思うかもしれませんが、きものキーパーには抗菌剤・抗酸化剤含有フィルムを使用。そのうえカビの発生に必要な湿度、栄養分、酸素等を遮断するため、カビを防ぐことが出来ます。

虫食いの場合も、チャックを完全に閉めてしまえば酸素が遮断されてしまうため、もしも害虫ごと着物を保管してしまっても、害虫は死滅してしまいます。
一度収納してしまえば、外から虫は入ってこられないため、虫食いの心配もありません。

防虫剤が不要のためニオイ移りもなし

虫食いの心配がないということは、防虫剤も使用しなくてOK。
湿気も酸素も通さないから、乾燥剤も脱酸素剤も必要ありません。

防虫剤や乾燥材を補充する必要がないため、手間とコストがかからないのも大きな魅力。

長年着物を保管したままにしていると、防虫剤のニオイが着物に移ってしまい取れなくなってしまうことがよくありますが、防虫剤不要ならそんな心配もありません。

虫干しをする手間が省ける

きものキーパーに収納するだけで虫食いもカビの発生も防げるため、面倒な虫干しも必要ありません。

一度着物を収納したら、そのままの状態で5年間は品質をキープできるそう。

そのため、5年後にきものキーパーを新しいものに取り換えるまでは、そのままの状態で問題はありません。

着物の変色を防ぐことができる

着物の変色の原因を知っていますか。

実は、カビや汗、シミだけではないのです。
最近の住宅は密閉性が高いため、タンスの中には酸化窒素ガスや亜硫酸ガスが溜まりやすく、それが着物の生地に吸収されて染色色素を分解し、変色の原因となります。

つまり、ただタンスに保管しておくだけで着物の変色が起こることも。そんなガスからもガスバリアフィルムが着物を守ってくれるから、変色の心配がないのです。

着物用タンスがなくても大丈夫

振袖や留袖を購入したものの、うちには桐のタンスも衣装箱もない、という方が多いのでは。
着物愛用者の中には、すでにタンスがいっぱいで着物や帯が収納できないという方もいるようです。

そんな時にも役立つのが、きものキーパーです。
着物を傷める湿気やガス、酸素も通さないから、きものキーパーに収納後は普通のタンスでも、プラスチックの衣裳ケースに入れて押し入れに仕舞っても、問題はありません。

水害からも着物を守ってくれる

いくらきものキーパーが湿気や酸素を通さないといっても、水に浸かってしまったらダメよね?
そう思われがちですが、実は東日本大震災の時に、きものキーパーに入っていた着物が津波に流され泥にまみれながらも、無傷で見つかったということがありました。

しっかりチャックが閉まっていて、きものキーパー自体が破損していなければ、水害からも着物を守ることが出来ると証明されたのです。

「きものキーパー」を上手に利用する7つのポイント

どんなにきものキーパーがすぐれ物だからといっても、使用するのにあたり注意したい点があります。

この注意点を知って上手に利用すれば、着物の品質をしっかり維持することが出来ますから、きものキーパーを使用する前には必ず読んでくださいね。

ポイント1. 着物はクリーニングしてから収納する

丸洗いや汗抜き、染み抜きをしっかりしてから、きものキーパーに仕舞いましょう。
汚れたままの着物を入れてしまうと、シミや変色の原因になります。

一度でも着た着物は、丸洗いと汗抜きは必須。自分ではわからなくても、きものトトノエのような着物専門のクリーニング店でシミの確認をしてもらい、シミがあるなら必ず落としておくことも必要です。

タンスの中で長い間眠っていた着物を収納する場合も、必ずカビやシミなどの確認をして。
クリーニング店などでしっかりとお手入れをしてから、きものキーパーに収納しましょう。

ポイント2. クリーニングから戻ったら早めに収納を

きものトトノエでは、クリーニングが完了した着物をお客様にお戻しする際に、きものキーパーのご利用をオススメしています。
(きものキーパーはきものトトノエでも購入することが出来ます!)

クリーニングが済んできれいになった着物は、いつまでもクリーニング店の箱などに入れたまま放っておかずに、シワや汚れがつく前に、できるだけ早く収納することが大切です。

ポイント3. 湿気の少ない乾燥した日に収納する

きものキーパー内は収納した日の湿度が保たれるので、湿度の低い晴天の日を選んで収納しましょう。
目安としては、室内の湿度が50パーセント程度なら問題ありません。湿度が80%以上の日は避けたほうがよいでしょう。

ポイント4. 防虫剤や乾燥剤、におい袋は入れない

きものキーパーに収納するだけでカビや害虫が防げますから、防虫剤や乾燥材などの不要なものは入れないことが大切です。
良かれと思って入れたのに、防虫剤から発生するガスで着物が変質してしまうことも。

着物を収納する時に、におい袋を入れる方がいますが、におい袋から発生するガスで着物が黄変する可能性もあるので、不必要なものを一緒に入れるのは絶対にやめましょう。

ポイント5. 着物と帯をセットで保存する

きものキーパー1枚に、薄手の着物2~3着が収納できますが、着物だけでなく、着物と帯、長襦袢をセットにして収納してもかまいません。

たまにしか着ない振袖や留袖のように、帯も長襦袢も合わせるものが決まっている場合には、セットで収納しておくと便利です。

ポイント6. よく着る着物はたとう紙に包んで

きものキーパーなら着物だけで収納することも可能ですが、よく着る着物、しょっちゅう出し入れする着物は、たとう紙に包んで収納しておくことをオススメします。

たとう紙があることで、着物の出し入れ時にできるシワを防ぐことができます。

ポイント7. 直射日光のあたらない場所で保管を

きものキーパーには紫外線カット機能もついていますが、さすがに直射日光が毎日あたるような場所に保管されると、変色の可能性が高くなります。
直射日光や蛍光灯などの光が直接当たらないところに保管しましょう。

以上の7点に注意して、きものキーパーに着物を入れたら、チャックが完全に閉まっているかを確認。あとは、好きな場所に保管しておくだけでOKです。

「帯キーパー」に着物を収納してもいい?

実はきものキーパーと同じ、三重構造の機能性フィルム「プロガード」を使った帯キーパーという商品があります。

こちらは、名前の通り帯を収納するための保存袋なのですが、これに着物を収納している方がいるようです。

三つ折りにした着物を収納するのにちょうどよいサイズだからのようですが、着物は三つ折りで長期間収納すると余計なシワができる原因になります。

帯キーパーはあくまで帯を収納するものですから、着物は二つ折りにしてきものキーパーに収納することをオススメします。

まとめ

着物の保管場所に悩んでいる方にオススメなのが、きものキーパーです。

湿気と酸素を通さないためカビや害虫の心配が不要ですから、ベッドの下や押し入れの天袋などでも収納することが出来ます。

防虫剤も虫干しも必要ないので、着物の保管に悩まされずに済むのも魅力。

着物を収納したときの品質を5年間は維持してくれるので、大切な着物ほど、きものキーパーに収納することをオススメします。

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