母乳で着物を汚してしまったら、水で濡らしたタオルなどを固く絞り、母乳の汚れを上から叩くなどの応急処置を行います。
このとき、必ず気をつけて欲しいポイントがあります。
また、母乳は自宅では落としきれないと言われる理由も併せて紹介します。
目次
着物についた母乳の成分とは
母乳には水分、タンパク質、乳脂肪分(油脂)が含まれています。
そのため、母乳は着物の汚れによくある水性、油性、水性&油性の混合タイプではなく、タンバク質を含む水性&油性の混合タイプという複雑な汚れになります。
着物に母乳がついた時の応急処置
もしも母乳で着物を汚してしまったら、慌てずにまずはハンカチやティッシュなどで母乳の水分をやさしく吸い取りましょう。
水で濡らして固く絞ったタオルなどで汚れた部分を軽く叩いた後、汚れを吸い取るように乾いたタオルなどで軽く叩きます。
応急処置を行う場合の注意ポイント
母乳に熱を加えると含まれているタンパク質が凝固して、着物の繊維にこびりつくため、タオルはお湯ではなく必ず水で濡らします。
ウェットティッシュを持ち歩いている方も多いと思いますが、ウェットティッシュに含まれるアルコールなどの除菌成分が、着物の繊維を傷める可能性があるので使用はNG。
応急処置の前には必ず、着物の裏など見えない部分で試して、水に濡らしても変色や縮んだりしないことを確認。正絹やウールなどの水に弱い着物は、処置せずクリーニングへ。
母乳を自宅で落とせない理由とは
母乳は水分、油脂、タンパク質が含まれた厄介な汚れのため、自宅での水やベンジンを使用した染み抜きでは手に負えず、タンパク質がいつまでも繊維に残ってしまいます。
そのためクリーニングを頼むときにも、一般的な「丸洗い」だけでなく「染み抜き」もお願いすることが必要です