衣類につく臭いの中でも、やっかいなのが焼肉のにおいです。大切な着物に焼肉のにおいが染み付いて取れない・・・こんなトラブルは避けたいですが、「せっかくの集まりだから着物でおしゃれしたい!」という人も多いことでしょう。

着物に焼肉のにおいをつけないためには、どういう準備や対策をしたら良いのでしょうか?また、焼肉のにおいが付いてしまった場合の着物の消臭対策についても解説していきます。

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着物で焼肉会に行く時の準備・予防対策

着物に焼肉のにおいを染み付かせないためには、まず事前の準備や予防対策をしていくことが大切です。

無煙タイプの焼肉店を選ぶ

「焼肉会をすることだけが決まっていて、お店はこれから選ぶ」…このような場合は、お店選びから着物のにおい対策を始めてみましょう。焼肉屋にも色々ありますが、「無煙」の設備を導入している焼肉店を選ぶのがおすすめです。

着物につく焼肉のにおいの元のほとんどは、実は「煙」。無煙ロースターや溶岩焼きの煙が出ないタイプだと、焼いている部分の横からどんどん煙を吸収していくため、着物に焼肉のにおいがあまり付きません。

反対に昔ながらの網焼き・炭火焼き・鉄板焼き等の場合だと、店舗全体に煙が充満しやすいです。そのため着物の消臭対策がかなり難しくなります。

洗える着物を着ていく

着物に焼肉のにおいがある程度付くことを考え、できるだけ「着た後のお手入れ」がラクな着物を選ぶのも手です。例えば木綿やポリエステル等の素材で手洗い可能な着物を選べば、着用後の消臭対策が手早く行えます。

また凹凸が多い繊維は焼肉のにおいが付きやすいため、その反対の滑らかな素材の着物を選ぶのもおすすめです。ただし正絹(シルク)の着物(礼装用の留袖や振袖等)は強い消臭対策を行うのが難しいので、着用はできるだけ避けた方が良いでしょう。

ウォッシャブルの羽織やショールを重ねる

一日のほとんどはお気に入りの着物でいたい、焼肉の時だけにおい対策をしたい…そんな時には、お手入れがラクな素材の羽織やストールをお食事の時だけさりげなく重ねるのも手です。

焼肉のにおいの元の「煙」は、上へ上へとのぼる性質を持っています。そのため、焼肉のにおいは着物の胸元等の上半身に染み付きがち。羽織やストールで上半身をカバーすると、においの強い付着を防ぎやすくなります。

ご友人同士での気楽な集まりなら洋装向けのストールでも大丈夫。また羽織なら、オフィシャルな場の室内着用をしてもマナー違反になりません。ただし焼肉では火を扱うため、室内温度が高くなりがち。重ね着で暑くなることも多いので注意しましょう。

消臭スプレーの使用は避ける

「着物に焼肉のにおいを付けたくないから」と言って、着物にファブリーズやリセッシュ等の消臭スプレーをかけるのはNGです。また焼肉店に置いてあるリフレッシュスプレーなどを使うのもやめましょう。

これらのスプレーには水やその他添加物の配合量が多く、着物の縮みや染めの変色・褪色・輪ジミ等のトラブルを起こすことがあります。

着物に焼肉のにおいが付いた時の消臭対策

「家に帰ってきたら、やっぱり着物についた焼肉のにおいが気になる」…こんな時にはどのような対策をしたら良いのでしょうか。

1.手洗い可能な着物は洗う

ウォッシャブル着物であれば、できるだけ早く洗うのが一番です!液体タイプの中性洗剤を使って、手洗いで優しく全体の汚れを落としていきましょう。染色や素材によっては、より焼肉の臭いを落としやすい酵素タイプの洗剤を使うのも手です。

着物につく焼肉のにおいは油汚れと同じで、放置しておくと繊維に固まってしまい、洗えば落ちる臭いも徐々に落ちにくくなっていきます。「ウォッシャブルだから」と甘く見ず、早めにお手入れをすることが大切です。

2.お風呂に干して臭いを追い出す

帰宅が深夜になってしまって、今から手洗い等のケアをしっかりするのが難しい…そんな時は、バスルームに着物を干すのも手です。バスルームの中にこもった蒸気の力が、着物の中に染み付いた焼肉のにおいを追い出してくれます。

お風呂に着物を干す消臭対策

1)浴槽に40℃以上のお湯をはります。
2)和装ハンガーもしくは突っ張り棒等に着物をかけて、形を整えます。
3)数時間放置するか、一度お湯をはりかえます。
4)最後に十分に陰干しをして水分を飛ばします。

ただし、正絹(シルク)等の縮みやすい素材や金糸・銀糸・箔等の特殊加工がある着物にはこの方法はNGです。また少しでもカビ臭さを感じる着物に蒸気を与えるのはやめましょう。カビ菌を増やしてしまいます。

3.スチームアイロンで臭いを飛ばす

より手早く蒸気の力で着物についた焼肉のにおいを飛ばすには、スチームアイロンを使う方法があります。

スチームアイロンを使う消臭対策

1)和装ハンガーに着物をかけて形を整えます。
2)スチームアイロンを着物の生地から2センチほど離して上から順にかけていきます。
3)一枚あたり10分~15分程度蒸気をあて続けます。
4)最後に十分に陰干しをして蒸気を飛ばします。

なおこの方法も上で紹介した「お風呂に干す」と同じで、水分で縮みやすい正絹(シルク)や変色をしやすい特殊加工がある着物、カビ臭い着物には向いていません。

4.陰干しで臭いを飛ばす

手洗いや蒸気による消臭対策ができない場合には、陰干し(かげぼし)で着物についた焼肉のにおいを飛ばしましょう。繊維の中の湿度を下げると臭いの元である分子が外に出やすくなり、少しずつ焼肉のにおいが目立たなくなっていきます。

陰干しによる消臭対策

1)直射日光があたらない場所を選びます。
2)着物専用のハンガーに着物をかけるか、物干し竿に着物を干します。
3)着物の形を整えて、数日間干します。夜間の屋外は湿気がこもりやすいので取り込みましょう。

5.扇風機で焼肉の臭いを飛ばす

陰干しだけでは風が足りず、なかなか着物についた焼肉のにおいが飛ばない…という場合には、扇風機を使ってみてはいかがでしょうか。温風ドライヤーに比べて生地が傷む心配も少なく、様々な着物に使える方法です。

扇風機を使った消臭対策

1)屋内の直射日光が入らない場所を選びます。
2)窓を開けて換気をするか、換気扇を回します。
3)着物ハンガーに着物をかけて形を整えます。
4)扇風機の風を正面からあてます。
5)数時間ごとに、着物の前後・表裏を変えて全体に風をあてます。

6.クリーニング店で丸洗いする

自宅でのケアを色々しても着物についた焼肉のにおいが落ちない…この場合、煙と一緒に「油」の分子が着物の繊維にしっかりと入り込み、落ちない状態となっている可能性が考えられます。

無理にセルフケアを続けるよりも、着物専門のクリーニング店で「着物の丸洗い」をした方が良いでしょう。丸洗い(ドライクリーニング)は油性の溶剤を使用するため、焼肉の汚れや臭い等を分解するのは比較的得意です。

ただし着物に焼肉のにおいが付いてから長時間が経過した場合、繊維に臭いの分子が吸着してしまい、丸洗いだけでは臭いを落とせないこともあります。この状態では、より専門的な消臭対策(オゾン消臭等)が必要です。専門店への相談は早めに行いましょう。

おわりに

着物につく焼肉のにおい対策はいかがでしたか?焼肉のにおいはとてもガンコな油性の臭いです。そのため、少しでもにおいが残る状態で着物をタンスにしまってはいけません。

ケアが不十分だと、次回に着る時も焼肉のにおいが気になる結果になってしまいます。ていねいなケアで着物の焼肉のにおいをしっかりと取り除いておきましょう。


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