足袋の洗い方は汚れがしっかり落ちる手洗いが基本。また、足袋の洗い方として押さえておきたいポイントに、型崩れさせないための干し方やアイロンのかけ方などがあります。

自宅で足袋を洗濯したのはいいけれど、シワができて履けなくなってしまった……ということにならないように、足袋を長持ちさせるための上手な洗い方を紹介します。

足袋は自宅で洗っても大丈夫?

着物につきものの足袋ですが、お手入れの仕方をご存じですか。

足袋は自宅で洗っても大丈夫?と心配される方も多いようですが、ほとんどの足袋が自宅で洗濯することができます。

足袋の素材には正絹、木綿、化繊などがありますが、正絹の足袋は結婚式に新郎新婦が履くものといわれ、一般的には木綿と化繊が主流。とくに礼装用の白足袋は、そのほとんどが家での洗濯可能な木綿素材です。

また、足袋の汚れは皮膚から出る汗や皮脂、履いている間についた土埃や泥ハネのため、おしゃれ着用の中性洗剤を使用すれば落とすことができます。

足袋を洗濯するときの注意ポイント

では、実際に自宅で足袋を洗うときには、どんなことに気をつければよいのでしょうか。

履いたその日に洗う

足袋を洗う場合は、できるだけ履いたその日のうちに洗濯しましょう。

とくに白足袋は洗濯せずにそのまま放置しておくと、汚れがどんどん落ちにくくなってしまい、あとから洗っても黒ずんだ状態になってしまいます。

当日の洗濯が無理なら、おしゃれ着用の中性洗剤を入れたぬるま湯に足袋を一晩つけておき、翌日洗ってもいいでしょう。

足袋は手洗いする

足袋は洗濯機でも洗えますが、縫い目が多いため細かい汚れは落としきれない可能性も。白足袋の場合、ちょっとした汚れも目に付くため、結局は再度、手洗いすることになりがちです。

また、洗濯機で洗ってしまうと型崩れや縮みが起きることもあるため、足袋は手洗いのほうが足袋を傷めず、きれいに洗うことが出来ます。

白足袋は漂白剤の使用も可

白足袋のくすみや黒ずみが気になる場合には、酸素系漂白剤を使用することも可能です。
ただし、洗濯表示を必ず見て、問題ないか確認してから使用しましょう。

漂白剤を入れたぬるま湯に30分~1間程度浸したら、水でよくすすぎ、おしゃれ着用中性洗剤で手洗いしましょう。

乾燥機はNG!必ず陰干しを

洗った足袋を干す時には、天日干しではなく、必ず陰干しするようにしましょう。
直射日光はくすみの原因になります。

また、乾燥機もNGです。
足袋が急速に縮んで、型崩れしてしまうので乾燥機の使用はやめましょう。

足袋を手洗いする方法とは?

洗濯する場合の注意点がわかったら、次の手順で足袋を手洗いしてみましょう。

準備するもの

・洗面器 または たらい
・おしゃれ着用中性洗剤
・靴用ブラシ または 歯ブラシ

洗い方

  1. 洗面器またはたらいに水をはり、おしゃれ着用の中性洗剤を入れます。
  2. その中に足袋を入れて、2~3分ほどつけおき洗いをします。
  3. 足袋の汚れが気になる部分をもみ洗いします。
  4. 汚れがひどい場合は、その部分を靴用ブラシや歯ブラシでこすり洗いします。
  5. 水ですすいで洗剤を洗い流します。すすぎは3回以上、行いましょう。
  6. タオルで水気をしっかりと吸い取ります。
  7. 洗濯ばさみで足袋の履き口をはさみ、陰干しします。

足袋の型崩れを防ぐには?

足袋をきれいな状態で長持ちさせるには、洗濯で型崩れさせないことが重要です。
そこで、型崩れを防ぐ足袋の干し方とアイロンがけを紹介します。

足袋はシワを残さないように干す

シワを残したままで足袋を干してしまうと、型崩れしやすくなってしまいます。

そのため干すときには、しっかりとシワを伸ばすことが大切。とくに底布はよく伸ばさずに乾かしてしまうと縮んでしまうので、しっかり伸ばしてから干しましょう。

足袋の干し方

  1. 足袋の底布を、横方向に数回引き伸ばします。
  2. 底布の指先とかかとを、縦方向に数回引き伸ばします。
  3. 立甲の縫い目を揃えて、引き伸ばします。
  4. 外側の足首部分を数回伸ばします。
  5. 内側の足首部分を数回伸ばします。
  6. 足袋の底布や表地のシワを手で叩いて伸ばします。
  7. 足袋に手を入れて形を整え、膨らんだ状態にします。
  8. こはぜを留める糸の部分を洗濯ばさみでつまみ、陰干しします。

素早く丁寧にアイロンをかける

足袋の型崩れを防ぐもうひとつのポイントが、アイロンのかけ方です。

綿素材の場合、アイロンは高温設定で素早くかけるのがコツ。
複数の素材が使用されている足袋は低温でアイロンをかけるか、洗濯表示に合わせた温度設定を。

化繊の場合はアイロンがけが不要な足袋もあるので、こちらも洗濯表示をしっかりと確認しましょう。

アイロンのかけ方

  1. 足袋の底を上にして、縫代部分に沿ってまわりにアイロンをかけます。
    ただし、かかと部分は除きます。
  2. こはぜを外して、足袋の底をアイロン台から出した状態で内甲にアイロンをかけます。
  3. こはぜをかけて、その上からアイロンをかけます。
  4. 足袋の底をアイロン台から出した状態で、外甲にアイロンをかけます。
  5. 親指からかかとに向って、内甲にアイロンをかけます。
  6. 外甲の指先からかかとに向かって、アイロンをかけます。

足袋もクリーニングに出すことが可能

足袋は洋装でいえば靴下と同じ存在です。そのため、クリーニングには出せないと思っている方もいるようですが、着物専門のクリーニング店ならお願いすることは可能です。

例えば、きものトトノエの場合は着物の丸洗いを依頼された方へのオプションとして、足袋の丸洗い(1,320円税込)を受け付けています。

着物は滅多に着ないため足袋の出番も当分ないという方や、できれば自宅での洗濯やアイロンがけはしたくないという方には、クリーニングできれいな状態にして、保管することをオススメします。

クリーニング費用がもったいないと思うかもしれませんが、自分でうまく洗えずにシワになってしまい、結局、新しい足袋を買い直すことになるのなら、クリーニングに出したほうが手間もかからず、案外安上がりかもしれません。

まとめ

足袋を自宅で洗う場合、細かいところまでしっかり落ちる、手洗いがオススメです。

また、長くきれいな状態で使用するためには、型崩れさせないこともポイント。

洗ったあとは、シワをよく伸ばして干すこと、素早く丁寧にアイロンをかけることで、足袋の型崩れを防ぐことができます。

自宅で洗濯する方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。