「成人式に着た振袖、すぐにクリーニングに出すの?」「コートは年に1回はクリーニングに出すけど、着物は?」振袖等の着物のクリーニングの頻度について、正解がわからない…と悩んでいる人は多いのではないでしょうか。

振袖等の着物のクリーニングの頻度・回数は、「着物の状態」や「着るペース」によっても変わってきます。今回は3つの例を出し、それぞれの理想的なクリーニングの頻度を見ていきましょう。

「きものSalone」の編集長がオススメする着物クリーニングはここ。 きものtotonoe 


「きものSalone」の編集長がオススメする
着物クリーニングはここ。
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何度も着る着物は「シーズン終わり」にクリーニング

<<例1>>
A子さんはお正月(1月)の初詣のために着物を着ました。今度は3月の初めにある卒業式と謝恩会にも、同じ着物を着る予定です。この場合、着物をクリーニングに出す頻度は「お正月に着た後」「卒業式後」と毎回でないといけませんか?

上記の例1のように「ワンシーズン中(2~3ヶ月以内等)に何度か着物を着る予定がある」という場合、着物・振袖のクリーニング頻度は毎回でなくてもOK!振袖等の着物を着た後には自宅でお手入れをし、次回の着用まで保管しておきます。数回着て、シーズンの終わりにはクリーニングをします。

【振袖・着物を着た後の自宅でのお手入れ】

1)汚れのチェック:振袖を脱いだら着物用のハンガーにかけて、汚れやシミがついていないかをていねいにチェックします。(ここで汚れを発見した場合は、3.を参考にしてください)
2)陰干し(かげぼし):直射日光の当たらない屋外、もしくは窓を開け換気をした室内に着物を干し、振袖等の着物にこもった湿気を飛ばします。
3)汗抜き(あせぬき):着物を着た時に汗をかいていた場合には、水に浸して絞ったタオルで着物の裏側を軽く叩き、汗の成分を軽く取ります。汗抜きの後には、さらに陰干しをして水分を飛ばしましょう。

シーズンオフになったらクリーニング店へ

何度も着物を着る場合のクリーニングの頻度は、基本的には「シーズンの終わり頃に1回」が目安。寒い季節に着用するための袷(あわせ)の着物は、5月頃にはシーズンオフとなります。また暑い季節向けの単衣(ひとえ)の着物のシーズンオフは9月頃~10月頃です。

「もうこの着物は次のシーズンまで着ない」という時期になったら、シーズンの終わりに着物をクリーニングに出し、付いた汚れをスッキリと落としておきましょう。

着る予定が無い振袖は「しまう前」にクリーニング

<<例2>>
B子さんは1月の成人式に振袖を着ました。帰宅後に汚れをチェックしてみましたが、特に目立つ汚れは無いようです。これから先に振袖を着る予定は、今のところはありません。この場合にも振袖はクリーニングに出した方が良いでしょうか?

上記の例2.のように「次回に着る予定が無い」という振袖・着物の場合、クリーニングの頻度は「一度着たら、保管する前にクリーニングに出す」とするのが理想的です。

一見汚れていないように見えても、一度着た振袖等の着物には「ホコリの汚れ」「皮脂の汚れ」等があちこちに付いています。これらの汚れは、カビ菌や虫の大好物。汚れが付いたままで長く保管をすると、振袖・着物に「カビによる変色」「虫害(虫くい)」といったトラブルが起こりやすいのです。

特に「振袖」「留袖(とめそで)」「喪服(もふく)用の着物」等のフォーマル向けの着物は、次回の着用までに一年~数年間以上も保管することがあります。長期間の保管中に変色・カビ発生といったトラブルが起こらないよう、「1回ごと」という頻度のクリーニングで振袖をしっかりキレイにしておいた方が安心です。

クリーニングの「着物丸洗い」で振袖をスッキリ

着物クリーニングのメニュー「着物丸洗い」では、振袖等の着物についたホコリ汚れや軽い皮脂汚れ等を落とすことができます。「振袖に目立つ汚れが無い」という場合には、長期保管をする前に「着物丸洗い」をクリーニング店にお願いしてみましょう。

汚した着物・振袖は早めに専門店で「シミ抜き」を

<<例3>>
C子さんは、友達の結婚式に振袖で参加しました。披露宴の時にコーヒーをこぼしてしまったのですが、その場でハンカチで吸い取ったので、今のところシミはあまり目立たないように思います。この振袖はクリーニングに出した方が良いでしょうか?

この例3.のように「振袖を汚した」という場合のクリーニング頻度は「できるだけ早く、すぐに持っていく」が理想的です。シミができてから時間を置かず、専門店で「シミ抜き」をすることをおすすめします。パッと見て目立たなくなったように思える汚れでも、保管中に変色したり、カビが生える可能性が高いです。

振袖等の正絹(しょうけん・シルクのこと)で作られた着物は、自宅では水洗いをすることができません。そのためシミ・汚れの成分がいつまでも繊維の中に残り、「取れにくいシミ」や「変色」の原因となってしまいやすいのです。以下のような汚れが付いていないか、振袖を着た後にはよく確認しましょう。

【振袖・着物に付きやすい汚れの例】

・飲み物のハネ:ジュースやワイン・コーヒー等。色素が強く、着物の生地を染めるほどガンコなシミとなることもあります。
・食べこぼし:ドレッシング・ステーキソース・マヨネーズなど。その場では色の汚れが目立たなくても、後から油汚れ(油ジミ)が目立ってくることがあります。
・メイクのシミ:ファンデーション・口紅等。ファンデーションの汚れは着物の衿元(えりもと)に白っぽく付きやすいです。
・ドロ汚れ:道路のドロ・ホコリが付いたもの。着物の裾(すそ)の部分に付きやすい汚れです。
・汗の汚れ:着物の裏側、脇(ワキ)やウエスト回り、背中の中心等に付きやすい汚れです。見た目には透明ですが、時間が経つとカビ・黄色っぽい変色等の原因となります。
・雨汚れ・水シミ:雨粒や雪・水滴が付いた部分が、小さな輪のようなシミ(輪ジミ)になります。たくさん水に濡れた場合、濡れた部分とそうでない部分に線のようなものが残ることもあります。

「小さなシミだから…」と放っておくと、一年後に振袖を着ようとした時に「ガンコな取れないシミ」となっていることも!「この振袖は去年クリーニングに出したし…」といった今までのクリーニング頻度に関係なく、シミを見つけたらなるべく早く専門店に持ち込むことが大切です。

着物丸洗いではダメ?シミ抜きが必要?

振袖全体を洗う「着物丸洗い」で落とせるのは、皮脂汚れやメイク汚れ等の「油溶性の汚れ(油に溶けやすい汚れ)」で、なおかつ軽く小さいシミの場合です。

以下のような「水溶性の汚れ(水にしか溶けない汚れ)」は、着物丸洗いでは落とすことができません。

【丸洗いで落とせないシミ】

・コーヒーや紅茶のシミ
・ワインのシミ
・ドロ汚れ、ドロのハネ
・雨汚れ、雨ジミ、水シミ
・血液汚れ
・ボールペン等のインクの汚れ
・カビによる変色 等

またファンデーションや口紅等の油溶性の汚れでも、シミの範囲が広かったり、古いシミになっている場合には「着物丸洗い」で落とせないことがあります。このような時には、丸洗いに加えて「シミ抜き」が必要です。

「この振袖の汚れはシミ抜きが必要?丸洗いだけでも落とせる?」と迷った時には、自分でメニューを決めてしまわないこと。着物の汚れに詳しい着物専門のクリーニング店に相談をしてみましょう。

<<おわりに>>
振袖等の着物をクリーニングに出す頻度についての解説はいかがでしたか?着るペースや着物の汚れの状態に合わせて適切な頻度でクリーニングに出せば、大切な振袖をキレイな状態で長持ちさせることができます。まずは「今年、もう一回振袖を着るかな?」というスケジュールと、振袖の汚れの状態をチェックしてみてくださいね!


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