泥はねで着物を汚してしまった!そんなときには一刻も早く泥はねを落としたくなりますが、残念ながら泥はねは外出先での応急処置が難しいため、そのまま触らないことが大切です。
では、なぜ応急処置が難しいのか、どうすればいいのかを紹介します。
目次
着物についた泥はねの成分とは
着物の汚れには、水性タイプ、油性タイプ、水性&油性の混合タイプがありますが、泥はねにはさまざまな成分が含まれているため、水性&油性の混合タイプとなります。
また、泥はねの汚れの元は岩石などが細かく砕けた砂の粒です。そのため水にもお湯にも、油や洗剤、溶剤でも溶かせない、不溶性という性質を持っています。
着物に泥はねがついた時の応急処置
泥はねで着物を汚してしまったら、できるだけ触らずにそのまま帰宅することが大切です。
乾いたハンカチなどで拭いてしまうと、汚れが着物の繊維の奥に押し込まれてしまううえ、砂粒で着物をこすったのと同じように生地が毛羽だったり色落ちしてしまいます。
自宅に戻ったら、泥はねの部分がしっかり乾いているかを確認。ガーゼなどのやわらかい布で軽く汚れを払い、着物ブラシを軽く生地に当てて、一方向にやさしく汚れをかき出します。
汚れがひどい場合は「洗い張り」が必要に
応急処置をしてみても汚れが落ちない場合や、泥はねの範囲が大きい場合は、すぐにクリーニングに出しましょう。
泥はねは油では溶けないため、石油剤を使う一般的なドライクリーニングの「丸洗い」だけでは汚れを落とすことができません。そのため、専門的な「シミ抜き」が必要になることも。
また着物の状態によっては、「洗い張り」という一度着物をすべて解いて洗う作業が必要になることもあるため、しつかりとした着物クリーニングの専門店にお願いしましょう。