振袖クリーニングのタイミングは、着用前と着用後の2度にわたって振袖をクリーニングするか、着用後だけにクリーニングをするかの2通りに分かれます。
例えば、成人式にママ振袖を着る場合、久しぶりに振袖を出したら大きなシミがある、カビ臭い、変色しているなど、着用前にクリーニングしないと着られないことがほとんどです。
きものトトノエでは、そんな古いシミや変色のお悩みにどう対応しているかを紹介します。
目次
振袖のクリーニングのタイミング
着物のクリーニングは着用後に出すものと思われがちですが、着用前と着用後の2度にわたって出すケースがあります。
成人式用に新しく仕立てた場合は着た後の1回
成人式のために仕立てた新しい振袖の場合、クリーニングに出すのは、成人式が終わった着用後、収納する前の一回で問題はありません。
成人式にママ振袖を着る場合は着る前と着た後の2回
ママ振袖の場合、着用前と着用後の2回クリーニングに出す場合があります。
ママ振袖の状態が着る前に汚れている場合と、着た後のクリーニングです。
もちろん、ママ振袖の状態が着る前に汚れていなければクリーニングは着た後の1回で大丈夫です。
着用前はシミ、シワ、黄変、カビなどのトラブルがあるかも
久々に出す着物は、シミ、シワ、黄変、カビなどのトラブルが発生している場合があります。
ママの振袖の状態をチェックして、汚れやシミがないか、しっかりチェックしましょう。
衿(えり)、袖(そで)の一番下の部分、裾(すそ)の3か所が汚れがつきやすいです。
着物用のハンガーにかけてチェックし、必要であればクリーニングへ出しましょう。
サイズが合わなければサイズ直しをする必要もあります。
成人式の直前にクリーニングは混雑していて、受け付けてくれない場合が高いので、早めにチェックしましょう。
着用後は丸洗い+汗抜き(+染み抜き)に出そう
着用した後のママ振袖は、再度、クリーニングへ。
「着用前にクリーニングしたし、一度しか着てないのだから」とそのまま保管してしまうと、今度は振袖にしみ込んでいる汗や汚れが、シミや変色の原因になってしまいます。
しばらくは振袖の出番はないため長期間保管する予定なら、面倒くさいと思っても、着用後にもう一度クリーニングすることが大切です。
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振袖の全体的な汚れ落としには「丸洗い」
振袖をクリーニングする場合、基本となる洗い方が「丸洗い」です。
丸洗いとは、着物を解かず仕立て上がった状態で、全体を水の代わりに専用の溶剤で洗浄するドライクリーニングする方法です。
お店によっては洗濯機で洗ってしまうところもあるようですが、
きものトトノエでは丁寧な手作業による「下洗い」のあと、ネットに入れて、機械での「丸洗い」を行っているため、「丸洗い」では専用の溶剤を使っているため、金箔·刺繍·螺鈿などの加工部分を傷める心配がありません。
しかも汚れがひどい部分は専用の洗浄液で下洗いして、口紅やファンデーション、皮脂などの油性のシミや汚れは予め落としておきます。
下洗いが済んだら、きものトトノエ専用の洗浄溶剤で振袖を丁寧に洗浄し、仕上げのすすぎを行っていきます。
きものトトノエで使用している洗浄液には消臭効果、除菌効果があるため、とても衛生的に仕上がります。
長期間の保管中に出来た黄変にも対応可能
着る機会がなくて長期間保管していたママ振袖は、湿気のせいで地色が茶色く変色することがあります。
ひどいときには柄の上に広がってしまっていることも。
これらの茶色い変色やシミは「黄変(おうへん)」といって、長い時間をかけてカビや汗の成分が酸化したことで発生します。
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着物の黄ばみや古いシミを取る「黄変直し」に出す時の5つの注意点
古いシミには「黄変抜き」で対応
古いシミである「黄変」は取りにくいうえ、振袖には金箔·刺繍·螺鈿などの豪華な加工が施されていることがほとんどのため、変色している部分によっては染み抜きが難しい可能性があります。
そのため一般的なクリーニング店では出来ないことも多いのですが、きものトトノエでは「黄変抜き」で黄変にも対応しています。
熟練の職人による「黄変抜き」とは
熟練の職人が生地の状態を見ながら、漂白するための溶剤でシミを抜いていくことを「黄変抜き」といいます。
振袖の生地を傷めることなく「黄変抜き」を行うためには、着物に対する深い知識と経験が欠かせません。
「染色補正」や「柄足し」でカバー
シミや変色の状態がひどくて「黄変抜き」ではシミを取りきれない場合には、「染色補正(色掛け)」や「柄足し」でシミを目立たなくすることもできます。
縫い目部分は「洗い張り」で対応
縫い糸にまで黄変が出てしまった場合は、振袖をほどいて「洗い張り(水洗い)」を行ってから、仕立て直します。こうすることで、縫い目やその周辺部分の変色にも対応できます。
「洗い張り」ならカビ対応もサイズ直しも出来る
「洗い張り」は、着物のカビがひどいときに行うクリーニング方法です。
丸洗いでは表面の汚れやカビしか取れないため、落ちにくい胴裏の裏側までカビてる場合など、カビがひどいときには着物を分解して洗う「洗い張り」が有効です。
また、洗い張りは反物の状態で仕上がるため、着物のサイズを直す際のクリーニングにも向いています。
もしも、成人式に着る予定のママ振袖のサイズが合わない場合、寸法を直す前に「洗い張り」をして、長年の保管で出来てしまったシミやカビなどを落としたあとに、サイズ直しをすることが出来ます。
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着用後の振袖は「汗抜き」と「染み抜き」を
振袖を着用したあとは、タンスなどに保管する前に「丸洗い」プラス「汗抜き」、シミがあるなら「染み抜き」もしておくことが大切です。
丸洗いでは難しい汗対策は「汗抜き」で
振袖のクリーニングなら「丸洗い」でいいのでは?と誤解しがちですが、汗シミのような水溶性のシミは落とすのが難しいため、シミになる前に「汗抜き」で予防しておくことが大切になります。
見た目にはとくに変化がないため、本当に必要なの?と思うかもしれませんが、振袖にしみ込んだ汗は、乾いてしまうと見えないために気がつきにくくなります。
そのまま放っておくとカビやシミの原因になるため、目には見えなくても、成人式や結婚式などが終わって振袖をしまう前には忘れずに「汗抜き」もしておきましょう。
振袖を汚したらすぐに「染み抜き」を
どんなに注意していても、振袖に食べこぼしや化粧品のシミを作ってしまうことはよくあることです。
その場合はすぐに「染み抜き」に出しましょう。シミは早く対応するほど、落ちる可能性が高くなります。
見た目にはシミは見当たらないという方も、振袖を保管する時には念のため、きものトトノエならではの「匠診断」を受けておくことをオススメします。
自分では見つけられなかった小さなシミも、プロがしっかり見つけ出し、対応方法を提案してもらうことができます。
振袖は着用前も着用後も「匠診断」が必須
きものトトノエで「匠診断」を希望されると、クリーニングの前に熟練の職人が、お預かりした振袖をすみずみまで入念にチェックします。
ママ振袖についてしまったシミの種類や程度、生地の状態を的確に判断して、着物の持ち主に知らせてくれます。
これからママ振袖を着る方にはどんなお手入れやお直しが必要なのか、成人式や結婚式が終わり長期収納する方にはどんなクリーニングがオススメなのか、それぞれ最適な処理を提案し、要望に合わせて見積もりを出してくれるから、安心して相談することができます。
また、サイズ直しも請け負っているので、ママ振袖のサイズが合わない場合などにも、気軽に相談することができます。
振袖クリーニングの料金表
丸洗いクリーニング 匠診断付で6,930円(税込)
汗処理 丸洗い料金にプラス2,310円(税込)
染み抜きクリーニング お見積り
古い染み抜き お見積り
カビ処理 お見積り
襦袢の丸洗い 匠診断付きで 5,060円(税込)
半衿交換 4,125円(税込)
匠診断2点セット 11,110円(税込)
※料金は全て税込価格です。
よくある振袖への質問にお答えします!
Q ママ振袖は古臭く見えませんか?
A 着物の場合、洋服ほど流行り廃りは激しくありません。とくに成人式向けの振袖は、縁起の良い吉祥柄などが描かれた古典柄が多く、伝統的な柄としていまも愛されています。
個性的な色遣いや昭和を感じさせる柄も、レトロやモダンなデザインとして、他の方との差別化を図りたい方には人気を集めています。
Q ママ振袖の変色や茶色いシミはクリーニングで落ちる?
A 長期間保管している間に発生したシミや変色は、汗や皮脂汚れなどが酸化してできた「黄変」と考えられます。黄変は通常の「丸洗い」だけでは落とせないため、「黄変抜き」という専門的な処理を施します。
シミの状態や範囲の広さによっては、すでに落ちないケースも考えられるので、黄変を発見したらすぐにご相談ください。
Q ママ振袖の裏地に出ているひどいシミは「染み抜き」できる?
A 胴裏(裏地)の生地は薄いため、古いシミや変色の漂白処理はできませんが、「胴裏(裏地)の交換」で対応することができます。
Q クリーニングと一緒にママ振袖のサイズ直しもできますか?
A クリーニングと一緒に、サイズ直しをすることは可能です。
お母様と娘様のサイズを伺いながら、最適なサイズ直しと必要なクリーニングのプランを提案。ご了承いただいてから作業にかかります。
Q 振袖クリーニングの納期はどれくらいですか?
A 通常の「丸洗い」なら4週間程度、「匠診断」も必要な場合は6週間程度が目安ですが、繁忙期の場合はもう少しお時間をいただく場合があります。
「丸洗い」だけでなく、「汗抜き」「染み抜き」「黄変抜き」など、処理が増えるごとにかかる時間も長くなります。
「洗い張り」や「染色補正」などが必要な場合には、2~3ヶ月程度の時間がかかることもあります。
Q 成人式に一度だけ着た振袖もクリーニングが必要?
A ここ数カ月の間に振袖を着用する予定がないなら、一度着ただけでもクリーニングに出した方がいいでしょう。
一度の着用でも振袖には汗や皮脂汚れが付着しています。それらが長期保管中に酸化していくと、変色やシミの原因になります。また、残った汚れがカビや虫食いの原因にもなるため、長期保管の前には「丸洗い」と「汗抜き」を必ずしておきましょう。
Q 雪で濡れた振袖はクリーニングが必要?
A 雨や雪で振袖が濡れてしまった場合、「丸洗い」をしておくといいでしょう。雨や雪などの水性汚れは乾いてしまうと見た目にはわかりにくいため、大丈夫だと勝手に判断してしまいがちです。しかし雨や雪には多くのホコリや排気ガスなどが含まれているため、、シミや変色の原因になる可能性も。なるべく早く「丸洗い」しましょう。
まとめ
成人式にママ振袖を着たいと考えている方は、できるだけ早くクリーニングに出しましょう。この時に「匠診断」を利用すると、振袖の現状とそれに対してどんなメンテナンスが可能かなど、熟練の職人がチェックした診断結果を受け取ることができます。
シミや変色がひどい場合や、サイズ直しが必要な場合には、数カ月という日数がかかります。
振袖の生地が弱っているなど、クリーニングができない場合もあり、そうなると新たに振袖選びから始めなければなりませんから、4~5カ月前には「匠診断」を受けておきましょう。
振袖を着用した後も、保管前には必ず「丸洗い」と「汗抜き」は行うことをオススメします。